食前
多くのいのちと、みなさまのおかげにより、このごちそうをめぐまれました。
深くご恩を喜び、ありがたくいただきます。
食後
尊いおめぐみをおいしくいただき、ますます御恩報謝(ごおんほうしゃ)につとめます。
おかげでごちそうさまでした。
保育園では、食事の前と後に合掌をして食事の言葉を言います。
「いただきます」「ごちそうさま」だけでもよいようなものですが、食事の言葉を言葉として発することにより、食事はただ漫然と食物を摂り、栄養を補給するものではなく、目の前の食事には、そこまでに至る大きなおかげとめぐみがあることに気づいてもらうためです。
ところで、食事のメニューが魚1匹だったならば、「多くのいのち」ではなく「1匹のいのち」となるのでしょうか。
そこはやっぱり「多くのいのち」と変わりません。
大きな魚は小さな魚のいのちを食べ、小さな魚はさらに小さな魚のいのちを食べ、さらに小さな魚はプランクトンを食べて大きくなっています。
魚が食卓に上がるまで大きくなるためには、プランクトンのいのち、小さな魚のいのちなどあまたのいのちが食べられているのです。
食べるのはたった1匹の魚なのですが、その魚が生きるために食べたすべてのいのちを食べるので「多くのいのちと」となります。
食べた私はそれまでのすべてのいのちの代表として、生きることになります。
いただいたいのちの恵み、そしてつながれた命のありがたさを思い、食事の時には「いただきます」「ごちそうさま」を言いましょう。